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大谷石の産地(採掘場)で見る景色

ここは大谷石の産地。

栃木県の宇都宮市にある大谷資料館(かつての石切り場)。

柔らかみのある風合いが特徴的で加工もしやすい為江戸時代から始まり現在でも建物や壁等に全国で使われている程我々の身近にある石材で、修行時代より庭造りでよく利用していた為、私にとっても馴染みのある石でもあります。

材料の調達等でこの地には良く訪れてはいたもののこの場所へは中々来る機会がありませんでした。

今回訪れようと思った理由としてはずばり、涼みたいという思いから・・・。

というのは一つのきっかけではあるのですが、人の手によって掘られたこの地下の採掘場(坑内)の中の平均気温が8℃前後という魅力はやはり決め手となったのは間違いありません。

同機はともかくとして地下の世界へ入坑してみましょう。

坑内

地上から約30m大谷石で積まれた階段を下るとそこはまさに地下の神殿。

江戸時代より坑道が広げられ機械化になる昭和34年頃までは、切り取ってはその場で加工し120㎏もある石を一つ一つ運んでいた。

大谷石(規格品)

その後の機械化の発達でウィンチやトロッコ等を用いての運搬に移っているが何れにせよ途方も無い時間をかけて出来た空間であると言えます。

手掘りによる採掘壁面

ここまでは、人の加工技術に焦点を充てて話を進めてきましたが今度はこの空間を造っているマテリアルにも注目したい。

人が手間をかけた時間とは比べ物にならない位の時間をかけて出来た大谷石の資源は今から2000万年前(日本列島の大半が海に沈んでいた頃)に遡ります。

火山噴火時の火山灰が海底に沈み凝結したもので2000万年という途方もない時間軸の中で生まれた地層、この様な特徴を持つものを凝灰岩と呼び凝灰岩の中でもこの地層はこの栃木県宇都宮市大谷町付近でしか見られないいわば巨大ではあるが数限りある有限の資源なのです。

地産地消とはまたちょっと言葉は違うかもしれませんが、その土地の風土で育った材料はまた人の手によって削られ、自然の経過とともに築き上げてきた美しさがある様に思えます。

その幻想的な美しさがあってか現在は音楽家やドラマ等の演出等創造力を掻きたてる様な芸術の世界で利用される事が多いようです。

創造の空間で何を感じるか見る場所、見る時間色々な条件で感じ方は変わる。

採掘場最深部(機械掘り痕)

進む事に気温が下がる坑内も今は明かりがあり想像を掻き立てる場所となっていますが、明かりも無かった時代この場所で石を運んだ人達はどのような景色を見ていたのだろうか?

暗い坑内を出て見る最初の景色はどのような景色だったのであろう?

 

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